弊社では政府・地方公共団体、企業のニーズにお応えして、さまざまなコンサルティング事業を展開しております。福島県へは2016年から、日本酒の新規参入や販路拡大を目的とした事業を中心に、支援させていただいております。
コロナ禍ですべての事業を練り直し、試行錯誤の連続
アメリカでは、「新型コロナウィルス感染者数・死者数共に世界最多」という状況で、特に飲食業界はコロナに振り回された一年でしたが、なんとか福島酒プロモーションを遂行できました。特にコロナ禍にも関わらず、サンフランシスコへも事業拡大できたことも、大きな成果だったと思います。
2020年度の福島酒プロモーションも2月末で一段落しましたので、今年度の活動をまとめておきたいと思います。
「家で日本酒を楽しもう!」〜福島酒ウェビナー3回シリーズ
2020年3月後半「必要不可欠な業種以外、在宅待機」となり、予定していた試飲会などが実施できなくなってから、すぐに開始したのがオンラインを活用した福島酒セミナーでした。
自宅で飲食するしかない状況で「家で日本酒を楽しもう」というコンセプトを打ち出して、4〜6月にかけて3回シリーズで開催したのは、タイムリーでした。
当時は「何かできることを…」と手探りで始めましたが、結果的に、この経験と実績がコロナ禍の事業運営で大いに役立ちました。
レストラン向けプロモーションは、来店した客への働きかけが中心
6月後半からニューヨークの屋外飲食が再開したことで、レストランや小売店でのプロモーションを全面練り直しました。
「大勢集客できない」「マスクを外して飲食してもらえない」という制限がある中で、日本酒のマーケティングをするのは非常に難しいことで、あくまでも「レストランに来た客に対して働きかける」という内容で展開しました。
◎ニューヨーク実施店
以下6店舗で実施。
この1年、ニューヨーク市だけでも約1000軒が永久閉店したと言われ、レストランでは生き残りをかけて、人員を減らして運営せざるを得ない状況で、料理メニューだけでなく日本酒銘柄数もかなり削られました。7-8月頃の段階では、残念ながら姿を消してしまった福島酒もありました。
このような状況下で「普段から福島酒を扱ってくれている店と一緒にがんばろう」と候補店を選びました。プロモーション協力を呼びかけたことで継続採用・再採用になった銘柄も多く、さらには初採用になった例も数多くありました。
このプロモーションをきっかけに、福島酒のブランド認知度が高まり、人気も定着したことで、事業終了後にグランドメニューに継続採用された酒もありました。多くの人にとって、新しい福島酒に触れるよいきっかけになったと思います。
◎サンフランシスコ実施店
以下5店舗で実施。
カリフォルニア州ではコロナ感染拡大の影響を大きく受けました。福島酒プロモーションを実施した2020年10月〜2021年2月で、店内飲食を実施できたのは、11月頃のわずか数週間だけでした。
しかも、サンフランシスコは慎重派が多いという特徴もあり、今回協力してもらった6店舗でも、店内飲食を実施した日数はゼロでした。屋外飲食も期間中、2カ月以上(地域差がありますが、12月上旬から2月末まで)禁止となり、店自体が一時閉店に追い込まれたり、福島酒プロモーションの一時停止を強いられたり、刻々と変わる厳しい状況下での実施となりました。
事業開始の準備をしていた夏頃は「そもそも福島酒を採用しているレストランが少ない」という状況でした。しかし、提携を呼びかけることで、福島酒を初採用してくれるレストランがありました。その後、認知度や人気が高まると共に、多くの銘柄がグランドメニューに残ったのは大きな実績となりました。
サンフランシスコではニューヨークと比べると、流通している銘柄数が少ないので、今後は底上げしていくように働きかけたいと考えています。
小売店向けは、Buy1 Get1を通して新しい銘柄を発見してもらうきっかけに
◎ニューヨーク実施店
福島酒コーナー常設2店舗
◎サンフランシスコ実施店
酒販店は「必要不可欠なビジネス(Essential Business)」という位置づけで、パンデミック下でも営業を継続することができました。ただ、店舗によって営業状況は異なり、一時閉鎖した店もあり、長期的に客の入店を制限している店もありました。「オンラインで注文を受けて店がデリバリーまたは客がピックアップする」という方法が主流になったのも、コロナ禍で大きく変わった傾向でした。
レストラン同様、「大勢集客できない」「マスクを外して飲食してもらえない」という制限がある中、「お店に来店した人に対して、Buy1 Get1で小瓶をプレゼントする」という方法はうまくいったと思います。コロナ前は試飲会を通して、これまで飲んだことのない銘柄を試してもらう機会を提供できましたが、試飲会が実施できない状況で、Get1用の小瓶が、新しい銘柄を発見してもらうよいきっかけになったと思います。
Eコマースはコロナ禍の時勢にも合い好調
消費者がオンラインでアルコールを購入するという習慣が定着する中、オンライン日本酒専門店『Tippsy』のビジネスモデルはコロナ禍の時勢に合っていたと思います。
福島酒プロモーションを通して、かなりの本数が売れました。
広告出稿も実施、SNSの重要性を痛感
今年度は以下の媒体へ広告出稿もしました。
ウェブサイトやSNSの重要性も痛感した一年でしたが、弊社ではこれらを担当しておらず、きめ細やかなサポートができず、ジレンマがありました。弊社はオンライン・マーケティングを得意としていますので、今後機会があれば、ぜひてこ入れしたいです。
アフターコロナでも活かせる経験と実績
コロナ禍に振り回された一年でしたが、協力店のみなさんのご尽力もあって、試行錯誤を繰り返しながら、なんとか福島酒プロモーションを実施できました。
地域別にもチャネル別にも、とても一言では書き切れないほど、多くの改善点や課題が見えてきています。
一刻も早くコロナ禍が収束して大勢集客できるイベントができる日が来ればよいですが、当面はまだコロナ禍の影響も続くでしょうし、この1年で生まれて今後定着していく習慣もあると思います。
この1年の経験と実績を、福島酒プロモーションに限らず、さまざまな新規事業へ活かしていきたいと思います。